2年間を終えて、私が社保中の研修の長所と感じている点を挙げます。
(1)高度医療を実践する病院としての利点
充実した設備の下、各分野で一流の実績を残している部長、抜群の臨床能力を有する指導医クラスの中堅医師たち、そして優秀な看護師・技師その他の医療スタッフに囲まれ、研修医は多くを学びます。academicな要素は充実しており、私は各種の院内発表に加え、研究会での発表、学会発表、さらに英語論文の作成等の指導を受けました。
(2)中規模な市中病院としての利点の共存
中規模市中病院としての利点を最大限に生かした研修が社保中の特長でしょう。病院長・副院長を始め指導医の研修医個人への気遣いも心強い点です。研修医は相応の責任を委ねられ、忙しく診療に励みます。common diseaseを豊富に、診断から治療まで十分に経験できることは言うまでもありません。一方、科を超え重症患者や難解症例にも、研修医は関わります。手技についても自らの手で多くを経験でき、研修医間で取り合いになるということは皆無です。
(3)内科研修期間の確保
内科各科を中心として、4ヶ月を1コマとしてローテーションします。1つの科で長期間腰を据えて取り組めることには大きなメリットです。例えば呼吸不全の緊急入院患者が人工呼吸管理となり、原疾患と合併した心疾患等の治療をし、ウィーニングから抜管に至り、その後誤嚥等の難局を乗り越えてリハビリをし、症例によっては介護や在宅酸素の導入等の態勢を整え、ようやく退院になります。これらを、確実に身につけてゆくには、まとまった研修期間が必要です。「内科志望ではないが初期研修では内科を十分に習得したい」という人にも合っているプログラムだと思います。
(4)病院の雰囲気
親切なスタッフが多く、働きやすい環境です。私は、医師としてのrole modelとなる素晴らしいDr.にも出会いました。病棟では、尊敬できる多くの看護師と接してきました。また、非常に良い同期に恵まれたと感じており、「競争心」等のやりにくさを感じたことは皆無で、バラバラの科を回っていながら常に励まし合い、助け合っています。
(5)主体性
過去の研修医体験記から想像されるような『楽な研修病院』ではありません。とはいえ、「回診!カンファ!レクチャー!」と追いまくられることなく、全体としての仕事量はそれなりに多いものの、ある程度自分のペースで働けます。また、私は、採血の経験が不足していると感じていましたので、時間的に余裕のある科をローテしているときに、他科の病棟の朝の採血を志願して毎日やりました。他科ローテ中の勤務時間外に心臓超音波を特訓した時期もあります。dutyで縛られない分、主体性を発揮することが求められている研修スタイルであるとも言えるでしょう。
以上、当院の臨床研修の長所を列挙しました。短所については、上記の記載の裏側を読みとって、あるいはP-met等での公表事項を通して、理解頂けるはずです。どの病院の研修にも長所・短所があります。関心を抱いた方々は、自分に適した研修スタイルか否か、是非実際に社保中に足を運んで、御自分の目で確かめて頂きたいと思います。 |